Inkscapeの使用を諦めた理由
シンボルマークを作る必要があり、以前から気になっていたInkscapeを使ってみました。
Inkscapeといえば、オープンソースのベクターグラフィックソフトとして有名です。無料で使えるにもかかわらず機能が豊富であり、無料のベクターツールとして定番の立ち位置を確立している印象を受けます。しかし、実際に触れてみた結果、残念ながら自分には合わないと感じました。特に「ロゴ制作には向かない」と感じた点が決定的な理由ですが、それ以外にもいくつかの問題点がありました。本記事では、その具体的なポイントを紹介します。
躓いたポイント
ツール設定が煩雑でわかりづらい
Inkscapeではツールを使う際に、前回のオブジェクトに対する操作で設定したパラメーターが継承される仕様があります。これは、ベクター編集の特性を考慮した合理的な仕様なのでしょうが、ラスタ編集ソフトと大きく異なるため、普段Clip Studio PaintやPhotoshopを使っている人にはかなり混乱を招きます。
Undo(アンドゥ)の挙動が不安定
作業中、Ctrl+Zで操作を戻そうとすると、最初は1回しか遡れず、その後は「アンドゥ」と「リドゥ」を繰り返す現象に遭遇しました。この不可解な挙動に困惑し、解決策を調べても見つからず、かなりの時間を費やしました。しかし、再度Ctrl+Zを試したところ、一般的な編集ソフトと同様に複数回のアンドゥができました。最初だけ起こった謎の挙動のためにかなり時間を費やしてしまいました。
パスツールのデフォルト挙動
線を描く際にはパスツールを使うのが一般的ですが、Inkscapeではデフォルトでパスが「塗りつぶし」扱いとなり、始点と終点が繋がって半円形が形成されてしまいました。オブジェクトの形状パラメーターを変更すれば解決できますが、その変更がパスツールに継承されてしまうため、毎回調整が必要です。これが意外とストレスでした。
日本語表示の不具合
初期設定で日本語表示が可能なのは良いのですが、特定の箇所で文字化けが発生しました。結果として英語表示に切り替える必要があり、日本語ユーザーにとって使い勝手が悪いと感じました。
クローンが直感的でない
同じ形状のオブジェクトを作りたくてクローンを試したのですが、親オブジェクトの変更が子に適用される一方で、子の変更は親に反映されません。これに気づくまでクローンが正常に機能していないと勘違いしてしまい、無駄に時間を取られました。親子関係の挙動が直感的に把握しづらい点は、初心者にとってハードルが高いと感じました。
ロゴ制作には向かないと感じた理由
Inkscapeを使わないと決めた最大の理由がここにあります。
Inkscapeはシンボルマークやイラスト制作には向いている一方で、ロゴ制作時に文字情報を維持しながら非破壊的に操作するアプローチが少ない印象を受けました。
バージョンの更新頻度も年一回なので、この点が改善される期待をするよりも、他のソフトを使用したほうがいいと確信しました。
まとめ
Inkscapeはオープンソースソフトとして優れた点も多くありますが、ユーザーフレンドリーとは言い難く、特にロゴ制作には適していないと感じました。期待が高かった分だけ、使いこなせなかったときの落胆も大きかったです。
フリーで使える他のベクター編集ソフトも探しましたが、しっくりくるものがありませんでした。Illustratorは高価すぎるため、現在はその代替品として有名なAffinity Designerに注目しています。正式なロゴが急務ではないため、セールのタイミングを待って試してみたいと考えています。
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